厚生労働省は28日、「新型インフルエンザ患者数の増加に向けた医療提供体制の確保等について」という事務連絡文書をまとめ、この中で国民の2割が新型インフルエンザにかかるという推計値と、これまでの実態から割り出した入院患者、重傷者数についての推計値も明らかにした。
それによるとピーク時には1日約76万人が発症する。また発症者のうち、入院が必要となる患者は1.5%、また重症となる患者は0.15%と推定された。発症者数のピーク時にこの比率をあてはめると、ピークの週の初めに10万人あたり約36人、全国で46,400人の入院患者が出ることになる。この数字は、基礎疾患を持つ人へ感染が広がる場合は、さらに大きくなる可能性があるとしている。7月29日から8月18日までの3週間の入院患者をみると6歳未満が全体の2割。通常のインフルエンザと異なり小児入院患者が多いことも明らかになっている。
また、同時期の入院患者のうち5人がインフルエンザ脳症にかかっていた。通常のインフルエンザでは年間100-300 人の小児がインフルエンザ脳症にかかると推計されている。小児、特に幼児への感染が拡大した場合には、インフルエンザ脳症が増加する可能性があるとしている。
8月10日-16日の1週間にインフルエンザ定点報告数が1.69となり、流行開始の目安としている1.00を上回ったことから、厚生労働省は新型インフルエンザが国内でも流行期に入ったと見なしている。これまでの例でインフルエンザの流行期は17週続き、ピークは8週目あたりとなることから、今回の新型インフルエンザの発症のピークは9月下旬から10月初めとなると同省はみている。