福島第一原子力発電所事故に伴う十分な情報が開示されていない、と海外から批判が高まっている中で日本学術会議は2日、海外アカデミー向けに福島原発の現状報告をまとめ、各国のアカデミーに送付した。
報告は「十分な情報を遺憾ながら持ち得ていない」とする一方、得られた情報で推測可能な限り事故発生後の経緯と現状を説明しようとしていることが読み取れる。
今後、学術会議として事故克服のための政府の取り組みを全力で支援し、事故の全容とその原因の解明、および放射性物質が環境と健康に与える影響評価が日本の学術の国際的責務であるという認識のもとに、積極的な情報の提供を行う、との決意を示した。さらに、避難住民の生活の再建、避難地域とその周辺地域の安全の回復・復興に向けて政府と自治体に対する提言を適時、積極的に行うとしている。
また、復興に向けて「被災地域の復興のグランド・デザインを検討する委員会」と「エネルギー政策の選択肢を検討する委員会」を設け、2カ月以内に提言をまとめることも明らかにした。
関連リンク
- 日本学術会議 東日本大震災対策委員会「東京電力福島第一原子力発電所事故に関する日本学術会議から 海外アカデミーへ の現状報告」(平成23年5月2日)
- 「Report to the Foreign Academies from Science Council of Japan on the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident(東京電力福島第一原子力発電所事故に関する日本学術会議から海外アカデミーへの現状報告)」