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1号機の“燃料損傷”割合55%に東電が下方修正

2011.04.28

 東京電力は27日、これまで発表していた福島第一原子力発電所の炉心燃料の損傷割合を修正した。1号機はこれまで約70%損傷しているとしていたのを約55%に引き下げる一方、2号機は約30%を約35%に、3号機も約25%を約30%に損傷度合いをこれまでより高くした。

 原子力安全・保安院は、事故によって生じた燃料の損傷度合いを「燃料損傷」「燃料ペレットの溶融」「メルトダウン」の3段階に分ける考えを示し、福島第一原子力発電所1、2、3号機の燃料は、「燃料ペレットの溶融」状態にあると18日、原子力安全委員会に報告している(2011年 4月19日ニュース「福島第一原発1、2、3号機とも燃料ペレット溶融状態に」参照)。

 東京電力は、燃料の状態について「燃料損傷」という表現を一貫して使用しており、今回も溶融とは言っていない。

 原子力安全・保安院によると、「燃料損傷」は、「炉心の異常な出力上昇により、炉心温度(燃料温度)が上昇することによって、相当量の燃料被覆管が損傷する状態」を指す。これに対し「燃料ペレットの溶融」は、「炉心温度(燃料温度)が上昇し、燃料が溶融する状態に至ることをいう。この場合は燃料集合体および燃料ペレットが溶融し、燃料集合体の形状は維持されない」状態としている。

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