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高濃度放射性物質含む水が海に流出

2011.04.03

 福島第一原子力発電所から1時間当たり1,000ミリシーベルトという高濃度の放射性物質を含む水が海に流出している個所が2日、確認された。東京電力は、流出している個所にコンクリートを流し込み亀裂を防ごうとしたが失敗、3日から水を含むと膨張する特殊な高分子化合物を流出個所への水の流入経路に流し込んで流れを断つ方法を試みる。

 東京電力によると、問題の個所は2号機の取水口付近にある電源ケーブルを納めているピット内。ピット内には放射線量が1時間当たり1,000ミリシーベルトを超える水がたまっており、ピット側面のコンクリート部分に長さ約20センチの亀裂があるのが見つかった。東京電力が公表した写真によると水は海面に向かって弧を描くように流出しているのが分かる。

 1時間当たり1,000ミリシーベルトを超える放射線の量は、2号機タービン建屋地階と同建屋外にあるトレンチの立て坑にたまっている水と同レベル。作業員が1年間に浴びる被ばく線量は250ミリシーベルトと定められているため、1時間当たり1,000ミリシーベルトという現場で15分間働いた作業員は、1年間、被ばくが予想される現場での仕事はできなくなる。

 海への放射性物質を含む水の流出を止める対策で、東京電力は貴重なマンパワーのさらなる減少を余儀なくされることになった。

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