麻生太郎首相は10日記者会見し、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量削減の中期目標を発表した。2020年までに2005年比で15%削減するとしている。
首相は、目標の設定に当たっては専門家による総合的な検討結果に加え、国民から寄せられた意見、世論調査の結果から最も理解を得られると考えた数値(14%)に、さらに1%積み上げた数字であることを強調した。欧州の13%、米国の14%(いずれも2005年比)に比べて、より厳しい目標で、外国からの排出権購入などを含まない“真水”の削減目標であることも力説した。
目標達成に向けては、再生エネルギーの比率20%まで引き上げや新車の半分をエコカーにすることなどに加え、革新技術開発、原子力発電に力を入れる方策を明らかにした。14%から15%への1%上積み分については、当初10倍増を見込んでいた太陽光発電規模を補正予算で20倍に高めることにより0.7%の削減上積みを達成するほか、小水力発電開発などを積み上げることで実現できる、とした。
中期目標設定の基本的考えとして、「主要排出国すべてが参加する形を推進する中で日本がリーダーシップを果たす」「実行可能」「2050年で世界の温室効果ガス排出量を半減するという長期目標達成につなげる」という3つの柱を示し、今回の中期目標が2050年に日本として60-80%の削減を目指すという目標達成につながることも強調した。