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洞爺湖サミットに向け世界13カ国アカデミーが提言

2008.06.12

 日本学術会議などG8サミット各国とブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ5カ国のアカデミーは、「気候変動」と「地球規模の健康問題(グローバルヘルス)」について、サミット参加国指導者に対する提言(共同声明)をまとめ、10日に公表した。提言は同日、日本学術会議の金澤一郎会長から福田首相に手渡された。

 7月7-9日に開催される北海道洞爺湖サミットに向け、3月17、18日にG8学術会議が東京で開かれた。提言はこの討議結果を基にしている。

 「気候変化:適応策と低炭素社会への転換」では、「低炭素社会への転換には、基準の設定、経済的手段の設計およびあらゆる分野にわたるエネルギー効率の促進、個人の行動変革の奨励、よりクリーンかつ効率的な技術への蛙跳び(leapfrogging)発展を可能にする技術移転の強化、炭素除去技術および原子力、太陽エネルギー、水力発電、その他の再生可能なエネルギーなどの低炭素エネルギー源への大規模投資などが必要」としている。

 特に今後50年で力を入れる必要があるものとして「電力その他の産業向け一次エネルギー源となる石炭からの排出に関して、炭素回収・貯留(CCS)技術を開発・普及すべきだ」と提言、G8プラス5カ国政府に対し、「2009 年までに相当数のCCS 実証用プラントを建設するための日程および資金拠出について合意する」よう求めた。

 「地球規模の健康問題(グローバルヘルス)」では、国際的な研究協力体制の拡充、得られた成果の途上国への技術移転、現地で活躍できる適切な人材の育成を通じ、地球上の2大疾病である「感染症と生活習慣病」に対処していくことを求めている。

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