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2050年の排出量半減目標を世界で共有

2008.07.09

 主要国首脳会議(洞爺湖サミット)は、8日首脳宣言を採択、温室効果ガスの排出削減については、「2050年までに世界全体の排出の少なくとも50%削減を達成する目標というビジョンを、国連気候変動枠組条約の全締約国と共有し、かつ、この目標を同条約の下での交渉において、これら諸国とともに検討し、採択することを求める」ことが明記された。

 50%削減で合意という形には至らなかったが、「50%削減を真剣に検討する」とした昨年のドイツ・ハイリゲンサミットでの宣言より1歩前進した。

 このほか地球温暖化関係では以下の内容が宣言に盛り込まれている。

  • 「自らの指導的役割を認識し、われわれ各国が、すべての先進国間で比較可能な努力を反映しつつ、排出量の絶対的削減を達成するため、野心的な中期の国別総量目標を実施」
  • 「セクター別アプローチは、各国の排出削減目標を達成する上で、とりわけ有益な手法。また、エネルギー効率を向上し温室効果ガスを削減する有用な手法」
  • 「2009年末までに交渉される国際合意において拘束される形で、すべての主要経済国が意味ある緩和行動をコミットすることが必要」
  • 「国際エネルギー機関(IEA)に対して自発的なセクター別指標に関する作業の強化を要請。国際航空および同海運セクターにおける排出の抑制または削減についての迅速な議論の重要性を強調」
  • 「エネルギー効率に関する中期的な、展望としての目標の設定の重要性を認識。『エネルギー効率に関する協力のためのパートナーシップ』を設立するという決定を歓迎」
  • 「クリーン・エネルギーを推進。再生可能エネルギーの重要性を認識。持続可能なバイオ燃料の生産と使用の重要性を強調」
  • 「日本の提案により3S(保障措置(核不拡散)、原子力安全、核セキュリティ)に立脚した原子力エネルギー基盤整備に関する国際イニシアティブが開始」
  • 「途上国の適応の努力に対する協力を継続・強化」
  • 「革新的技術のロードマップを策定する国際的イニシアティブを立ち上げ。環境・クリーン・エネルギー技術の研究開発への投資の増大と商業化の促進にコミット。この観点から、G8メンバーは政府の直接投資による研究開発に今後数年間にわたり毎年100億米ドル超をプレッジ」
  • 「気候投資基金の設立を歓迎し支持。G8メンバーは、既に約60億米ドルをこれらの基金に拠出することをプレッジしており、他のドナーからのコミットメントを歓迎。G8メンバーによるさまざまな二国間の資金的イニシアティブを歓迎。このような資金的支援が、実効的な2013年以降の枠組への開発途上国の積極的関与を奨励することを期待」
  • 「市場メカニズムは価格シグナルの提供を可能とし、民間部門に対する経済的インセンティブを与える潜在力を有する。さまざまな手段を各国の事情に従って促進し、経験を共有」
  • 「世界貿易機関(WTO)における環境関連物品およびサービスの関税・非関税障壁撤廃努力を強化。加えて、気候変動への取組に直接関係する物品・サービスの自主的な貿易障壁削減または撤廃を考慮。低炭素に貢献し得る購入・投資政策や実行などを奨励」
  • 「グレンイーグルズ対話の最終報告書およびIEAと世銀の報告書を歓迎」

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