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医療イノベーション推進室創設 室長に中村祐輔氏

2011.01.11

 政府は7日、内閣官房に「医療イノベーション推進室」を創設した。室長に中村祐輔・東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長が就任した。

 医療イノベーション推進室は、新成長戦略実現の一環として、医薬品・医療機器や最先端の医療技術などを国際競争力の高い産業として育成し、その成果を国民の健康水準の向上に反映させることも目指す。

 細胞シートや角膜の再生など再生医工学分野で指導的な立場にある岡野光夫・東京女子医科大学先端生命医科学研究所 所長と、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一・島津製作所フェローが室長代行に就任した。産官学から10人程度を常勤者として集め、官の縦割りを排した組織づくりに徹するとしている。

 中村氏は、同日付でライフイノベーション担当の内閣官房参与にも就任した。

 中村氏は、疾患関連遺伝子の特定などを目的に膨大な量のヒトゲノム塩基配列決定とデータベースの構築・活用に長年取り組んでいるほか、治療法がないと医療機関から見放された“がん難民“と呼ばれる患者にも目を向けたがんワクチン研究などでも知られる。臨床研究が欧米に比べて立ち後れている日本の現状についての危機感も強く、医療を日本の将来に有望な産業としてとらえる提言など社会的な発信も積極的に行っている。

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