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がんワクチン記事で朝日新聞に損害賠償請求

2010.12.09

 がんペプチドワクチンの臨床試験をめぐる記事で名誉を傷つけられたとして中村祐輔・東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長とオンコセラピー・サイエンス株式会社が8日、朝日新聞社と記者に損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を起こした。

 朝日新聞は9日朝刊で「記事は臨床試験制度の問題点を被験者保護の観点から医科研病院の事例を通じて指摘したもので、確かな取材に基づいている」との主張と、同社の医療サイト・アピタルで東京大学医科学研究所代理人からの書面に反論する回答書を掲載していることなどを記した広報部のコメントを付けて、この事実を伝えた。

 オンコセラピー・サイエンス社は、8日同社のホームページで朝日新聞社と同社の編集委員、論説委員2人に対し訴訟を起こしたことを明らかにし、「不正確な内容を含む記事により、社会的評価の失墜や株価の急激な下落、業務の著しい停滞を招き、株主をはじめとする関係者、特に治験に協力いただいている患者や家族に多大な不安を与えた」と主張している。

 同社は、中村祐輔・東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長のがん遺伝子研究成果を基に、副作用が少なくより効果的な抗がん剤の開発を目指す大学発ベンチャーとして2001年に設立された。

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