ニュース

熱ストレス低減に街路樹が効果

2011.07.21

 街路に日陰をつくることで夏バテ防止に大きな効果があることが、環境省の調査で明らかになった。

 調査はヒートアイランド対策として、夏の歩行者の熱ストレスを軽減する方策を調べるため、まずオフィス街として新橋、住宅街として国立市を選び歩行者を対象にアンケートを実施した。この結果、「暑くて不快と感じられる」原因は、主に日差しや路面の照り返しであり、暑いと感じる「歩道や交差点などの歩行者空間」に日陰を求めていることが分かった。

 計算機シミュレーションの手法を用い、1キロ歩いた時の歩行者が受ける熱ストレスを体温上昇と発汗量で比較したところ、日陰が途切れないよう7.5メートル間隔で街路樹を植えた歩道では発汗量、体温上昇とも約2割低減されることが確かめられた。一部日差しの当たる部分が残る間隔10メートルの街路樹がある歩道と、常に水分が補給される設備を備えた保水性舗装歩道の場合も約1割 発汗を抑える効果があることが分かった。10メートル間隔で街路樹を植えた場合、信号待ちの区域にも緑陰を設けると、熱ストレス低減効果は7.5メートル間隔で街路樹を植えた歩道と同等になる。

 1キロメートル当たりの費用は7.5メートル間隔で街路樹を植えた場合、約460万円、10メートル間隔だと約380万円、保水性舗装にした場合は、だいぶ高くなり約2,300万円と試算された。

 調査結果は、個人の努力による効果も試算している。日傘を差すことによる発汗低減効果が、10メートル間隔で街路樹が植えられた歩道を歩くのと同等であることから、男性用日傘の商品開発・普及などの促進策も必要としている。

関連記事

ページトップへ