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インド洋の異常低温現象2年連続でピタリ予測

2007.10.25

 世界的な気象変動を引き起こすインド洋の海水温低下現象「ダイポールモード現象」の発生を、海洋研究開発機構が昨年に続き予測することに成功した。

 ダイポールモードとは、インド洋東部の海面水温は通常よりも低下する現象で、通常5〜6月に発生、10月ごろに最盛期になり、12月には減衰する。この現象が起きると、インドネシアやオーストラリアなどでかんばつ傾向となる。一方、西部インド洋では逆に海面水温が上昇し、大気の対流活動が活発化するために降水量が増加する。2006年の発生時には、東部熱帯域のアフリカ諸国で洪水が多発し、百万人以上が避難せざるを得ない被害にあった。

 海洋研究開発機構の研究チームは、海洋観測ブイによる今年4月の太平洋とインド洋の大気、海洋観測データを、ヨーロッパの共同研究グループと開発した大気・海洋結合モデルに投入し、9〜11月にインドネシア西側のインド洋東部と太平洋赤道付近の中央部から東部にかけて、水温の低下現象が発生することを予測した。これを米海洋大気局(NOAA)の人工衛星による9月の観測データと比較したところ、予測がピタリ一致していることが裏付けられた。

 実際にオーストラリアではかんばつ、東部アフリカ諸国では洪水の傾向がみられるという地元紙の報道もあり、ダイポールモードの影響が早くも現れている可能性があるという。また、6月ごろから、既に海洋内部の水温が極端に低下し、これが長期にわたり持続していることも海洋観測ブイによる観測データから確認され、ダイポールモードの前兆現象ではないかとみられている。

 研究チームは、昨年もインド洋でダイポールモードの予測に成功している。通常、この現象が起きた翌年は逆に水温が上がる現象が起きる傾向があり、今回2年連続でこの
現象が発生したことに加え、東太平洋でも同様な海水温低下現象(ラニャーナ現象)が同じ年に起きるのも非常に珍しいと言っている。

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