使用済み燃料貯蔵プールの温度上昇、燃料溶融の恐れが高まっている福島第一原子力発電所3号機に対する注水作業は、17日午前に行われた自衛隊ヘリコプター部隊による空中からの水投下に続き、同夜、自衛隊と警察庁による3号機近くの地上からの放水作業が行われた。
地上からの放水は、警察の放水車による1回と自衛隊の消防車による5回行われた。空中からの水投下、地上からの放水によってどの程度の効果があったかは、政府、東京電力の発表、マスメディアの報道などを見てもはっきりしない。放水前後の放射線量は1時間当たり3,630マイクロシーベルトから3,586マイクロシーベルトとわずかながら下がったという数字を、政府の原子力災害対策本部は明らかにしている。4号機の使用済み燃料貯蔵プールの水温は14日未明から計測できない状態が続いている。
政府の緊急災害対策本部によると、東北地方太平洋沖地震による死者・行方不明者は12都県で1万5千人を超えた(死者5,692人、行方不明者9,508人)。岩手県で約1万人、宮城県で約6,500人、福島県で98人の被災者が依然として孤立した状態にある。避難者の数は7県で約39万人に上り、この中には福島、宮城両県から山形県に避難した2,712人、福島県から新潟県に避難した2,674人、福島県から茨城県の避難者専用避難所に避難している840人が含まれている(17日午後8時現在、警察庁まとめ)。
消防庁の17日午後3時半現在のまとめによると、11都県265件発生した火災は5件を残し鎮火しており、残る宮城県4件、千葉県1件の火災も鎮圧状態にある。