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40年後には小型魚類が大半に

2010.10.21

 世界中の海洋は汚染、過剰漁獲、気候変動などの影響で、2050年までに大半が小さな魚になってしまうという報告書を、国連環境計画(UNEP)が名古屋で開かれている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせて発表した。

 気候変動の影響は、2100年までにサンゴをはじめ温度上昇に敏感な海洋生物に深刻な影響を与えるほど海洋表面温度の上昇を招き、また窒素濃度の増加も広がる恐れがあると報告書は指摘している。

 窒素濃度の増加は工場廃水や農畜産業廃水のほか一定程度は陸上、海洋輸送機関によってももたらされる。水の華(藻類ブルーム)の原因となり、魚介類を汚染し、海中酸素の低下した海域の拡大を招く。こうした生産力を失った海域は1960年代半ばから増え始め、現在24万6千平方キロに拡大している。

 報告書はまた、船体に付着したりバラスト水などによって運ばれる外来海洋生物による危険も指摘し、すべての海域で在来種の絶滅の恐れが増大していることにも警鐘を鳴らしている。

 スタイナーUNEP事務局長は「海洋環境への影響がこのまま続けば、漁業や観光など数兆ドルに及ぶ関連産業が危機にひんすることになる」と言っている。

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