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太平洋クロマグロの漁獲規制勧告

2009.09.11

 長崎で開かれていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会は10日、沿岸の零細漁業((ひき縄など)を除き、2010年のクロマグロ漁獲量を2002-04年水準にとどめ、3歳までの若齢魚の漁獲を減らすという勧告をまとめた。韓国の排他的経済水域(EEZ)は規制の対象外とした。12月のWCPFC年次会合で採択される見込み。

 WCPFCは中西部太平洋の公海域のマグロ類漁業を管理する機関として2004年に設立された。日本は翌05年に加盟している。クロマグロについては、大西洋での漁獲量規制が先行しており、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が、09年に22,000トン、10年に19,950トン、11年に18、500トン、必要ならさらに削減する、という漁獲枠を定めている。

 太平洋のクロマグロの総漁獲量(2007年)は約1.8万トン。WCPFC北小委員会は06年9月漁獲量を現状以上に上げないようWCPFC本委員会へ勧告し、同年12月のWCPFC年次会合では各国が自主的に漁獲量を拡大させない措置をとることが合意された。

 水産総合研究センター「国際漁業資源の現況」によるとマグロ類の主要6魚種(クロマグロ、ミナミマグロ、ビンナガ、メバチ、キハダ、カツオ)の2006年漁獲量は、日本が世界一位を占めており、大洋別で見ると太平洋の漁獲量が1950年代初めから最も多く、その後も増加が著しい。総計で約300万トンと、1994年の約54万トンをピークに減少を続け現在50万トンを割っている大西洋、約100万トンのインド洋を大きく上回っている。

 WCPFC北小委員会は、北緯20度以北の中西部太平洋におけるマグロ・カツオ資源の管理を担っている。これまで05年12月にメバチの漁獲量を現状に凍結、06年12月にもキハダについて同様の凍結案が採択されている。メバチについては昨年12月、30%の漁獲量削減というより厳しい案が採択された。

 今回の会議には、中国、フィリピンを除く日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、バヌアツ、台湾の代表が出席した。

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