京都大学の「医の倫理委員会」は、難病患者の組織から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成し、原因の解明や治療法の開発を目指す中畑龍俊教授(発達小児科学)らの研究グループによる研究計画を承認した。
中畑教授らの研究計画は、患者から作成したiPS細胞を用いると中枢神経組織など直接患者から採取が困難な細胞・組織の作成が可能になり、患者の負担も軽くすむ利点を生かしたものだ。対象となるのは、先天性免疫不全症、I型糖尿病、先天性筋ジストロフィー症、骨形成不全症、脊髄性筋萎縮症、パーキンソン病など京都大学医学部付属病院でさまざまな難病にかかっていると診断された患者。これらの患者の細胞・組織に由来するiPS細胞を利用、目的とする細胞・組織を繰り返し作成することによって、安全で有効な治療法の開発に向けての研究基盤確立を目指したいとしている。
中畑教授らの研究グループは、京都大学の発達小児科学、内分泌代謝内科、臨床神経学、形成外科学、消化器内科学、肝胆膵移植外科学、消化器外科学、整形外科学、iPS細胞研究センター、再生医科学研究所と理化学研究所の研究者からなる。