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用途広いアンモニア新生産技術へ新会社 東工大の細野教授の技術応用

掲載日:2017年5月1日

東京工業大学の細野秀雄(ほその ひでお)教授らが発見・発明した新触媒を利用してアンモニアを効率よく生産する新技術の実用化を目指す新会社を、味の素(本社・東京都中央区)などが設立しこのほど事業を開始した。アンモニアは用途が広く窒素源としても有用で、新技術の実用化によりこれまで難しいとされていた小型プラントでの効率的生産が可能になるという。

味の素などの発表によると、味の素と投資事業企業の「ユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター(UMI、本社・東京都中央区)」が管理運営する「UMI1号投資事業有限責任組合(所在地・同区)」は新会社として「つばめBHB」(本社・同区)を設立して4月25日に事業を開始した。

アンモニアは基礎化学製品や窒素肥料のほか、食品や医薬品などの原料にもなるため工業的に非常に重要な物質。100年以上前に発明された「ハーバー・ボッシュ法」と呼ばれる方法がこれまでの生産方法の主流だったが、高温、高圧の反応条件が必要でプラントは大型化してしまい、一極集中でしかも大量生産しなければならなかった。

東京工業大学元素戦略研究センター長の細野教授らは、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業ACCEL「エレクトライドの物質科学と応用展開」による研究開発で低温、低圧条件でも効率的にアンモニアを合成できる新触媒を発明し、2016年10月に発表していた。新会社ではこの新触媒を利用した新しいアンモニア生産技術の実用化を目指す。細野教授は、つばめBHBの技術アドバイザーを務め、新触媒の実用化などを支援する。実現すればアンモニアを必要な量だけ必要な場所で生産できる「オンサイトアンモニア生産」の世界初のモデルになるという。

味の素は、アミノ酸などの発酵素材を生産する際は多くのアンモニア原料を使用している。同社は、新技術が実用化すれば自社工場内でも生産可能で輸送コストや使用エネルギーも大幅に削減できるとしている。

画像 細野教授らが発明したアンモニア合成新触媒の電子顕微鏡拡大画像(n=ナノは10億分の1)(提供・JST/東京工業大学)
画像 細野教授らが発明したアンモニア合成新触媒の電子顕微鏡拡大画像(n=ナノは10億分の1)(提供・JST/東京工業大学)
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