世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は10日、新型インフルエンザが世界的大流行期(パンデミック)を脱したことを電話による記者会見で明らかにした。
WHOがメキシコで新型インフルエンザの流行が始まったことを公表した昨年4月から1年4カ月、警戒レベルをパンデミックを意味するレベル6に引き上げてから1年2カ月ぶりのパンデミック終息宣言となる。
チャン事務局長は、ニュージーランドなど一部でまだ新型インフルエンザ流行の可能性は残っており、今後、数年間は新型インフルエンザウイルスの感染が続くと予想されるとする一方、ウイルス感染の度合いは世界的大流行時とは全く異なったものに低下していることを強調した。
同時にウイルスがより毒性、流行性の大きなウイルスに変異しなかったことや、治療薬タミフルに耐性を示す(効かない)遺伝子変異を持つウイルスが広まらなかったことなど、幸運に恵まれたことも、チャン事務局長は指摘している。