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九州大学が数学科後期入試に女性枠

2010.04.05

 九州大学が再来年(2012年)度入試(後期日程)から女性枠を設ける、と発表した。

 九州大学の理学部数学科定員は54人で、一般入試の後期日程で選抜する9人のうち5人を女性とする。数学分野の女性研究者が少ないことは国際的に見ても際だっており、九州大学でも数学の女性教員の比率はわずか3%と他分野をさらに下回っている。まず学部段階から女子の入学者を増やすため、数学科の中でも特に女子の入学者が少ない一般入試の後期日程に女性枠を設けた、と説明している。

 理学部数学科の一般入試は、大学入試センター試験の国語、数学(「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」)、理科(「物理Ⅰ」、「化学Ⅰ」、「生物Ⅰ」、「地学Ⅰ」から1科目)、外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目)が課されるが、これに加え後期日程女性枠は、数学(数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C)と、これまでになかった外国語(英語Ⅱ・リーディング・ライティング)が新たに課される。

 女性枠に外国語(英語Ⅱ・リーディング・ライティング)を必要とした理由については「グローバル社会で活躍できる人材育成の観点から語学力をみるため」と説明している。

 九州大学は、大学教員以外の分野でも活躍できる数学専攻人材の育成に意欲的に取り組んでいることで知られる。数学の博士課程修了者が将来産業界でも活躍するルート開拓を狙い博士課程の1、2年生に企業で3カ月から半年という長期インターンシップを義務づける制度を2006年度から始め、成果を挙げている(2008年5月16日ハイライト・中尾 充宏氏 九州大学 産業技術数理研究センター長「数学者が産業界で活躍するルート開拓」参照」。

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