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文科省の科学技術関係削減額は1,965億円

2009.10.20

 文部科学省は16日、補正予算のうち執行停止分は25.7%、3,387億円になり、このうち科学技術関係は1,965億円であることを明らかにした。科学技術関係だけで見ると削減率は46%となる。

 既に伝えられているように最先端研究開発支援プログラムについては、1,200億円を執行停止し、1,500億円に縮減する。中川正春・副大臣は、今後、総合科学技術会議で詰めていくが1,500億円のうち既に決まっている30課題に1,000億円という枠で考えず、予算査定作業の中で適切に振り分け、余った分が若手などに配分されることになる、としている。

 国会でも議論になった地域産学官共同研究拠点事業(695億円)については、ハコモノ整備は中止し、地域プロジェクトの中で成果を挙げている地域について、大型の研究設備・装置などを整備する。30件程度が採択される予定で、432億円を執行停止する。

 日本学術振興会に設置した基金の関連では、若手研究者海外派遣事業について、既に決定した7,550人分(個人と機関についての積算の合計)は執行するが、新規公募を取りやめ、300億円中224億3,600万円を執行停止する。

 このほかの執行停止は以下の通り。

 最先端の環境科学技術に関する情報発信機能の強化:地方の科学館に対して環境科学技術展示物作成を支援する経費や日本科学未来館の照明改修など30億円のうち16億5,000万円を停止。ジオコスモス(科学未来館)の改修や環境科学技術に関する巡回展示などは実施する。

 物質・材料研究機構に環境技術研究開発センター(仮称)等の整備:センター建設の経費は認めたものの、目黒地区施設のつくば移転は延期し、55億8,400万円のうち5億8,400万円を停止。

 企業研究者を大学などに呼ぶ企業研究者の活用による産学融合の実現:採択件数を半減し、11億7,100万円のうち5億7,700万円停止。

 ポスドクを企業に派遣する高度研究人材活用促進事業:第1回公募で決定した31社、39人は維持するが、第2回公募を取りやめ、5億円のうち2億9,300万円停止。

 このほか、理化学研究所のRIビームファクトリー加速器用電磁石電源の高度化、リニアコライダー関係装置開発などを中止。iPS(人工多能性幹)細胞研究では、研究用器具の数や実験室の仕様を落とすことで、予算を縮小した。

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