日本だけでも1,000万人の患者がいるといわれる変形性関節症のモデルになるマウスを理化学研究所の研究チームが作り出すことに成功した。
理化学研究所の別の研究チームは、すでにヒトの変形性関節症の原因がGDF5遺伝子の変異によることを突き止めている。今回、変形性関節症関連遺伝子研究チームの古市達哉研究員らは、ヒトのGDF5遺伝子に対応するマウスのGdf5遺伝子を薬剤によって変異させたところ、100%変形性関節症を発症するマウスができた。
さらに、このGdf5変異マウスを使った実験で、GDF5タンパク質が関節軟骨の正常な形成に不可欠であることが分かり、関節軟骨形成の異常が変形性関節症発症の原因の一つであることが明らかになった。今後、このモデルマウスは変形性関節症の新薬開発に大きな役割を果たすと期待されている。