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変形性関節症の原因遺伝子確認

2007.03.27

 高齢者に数多く見られる骨・関節の病気である変形性関節症の原因遺伝子を理化学研究所の池川志郎チームリーダー、宮本恵成研究員らの研究チームが、中国・南京大学などとの国際研究で発見した。

 変形性関節症は、関節の軟骨が変性あるいは、なくなってしまう病気で、日本だけでも約1,000万人の患者がいるとされている。この遺伝子と変形性関節症の関係をさらに詳しく研究することにより、新しい治療薬の開発や、発症の事前予測が可能になると期待されている。

 変形性関節症との関連が確認された遺伝子は、GDF5(Growth Differentiation Factor 5)と呼ばれ、関節の形成や軟骨細胞の分化にかかわっていることがこれまでに知られていた。研究チームは、股関節変形性関節症をわずらっている患者とこの病気にかかっていない人々と、GDF5遺伝子との関係を調べた。

 その結果、股関節変形性関節症患者の80%が、GDF5遺伝子の発現を調節する領域にある遺伝子のわずかな違い(遺伝子多型)を持っており、持たない人に比べて約1.8倍も股関節変形性関節症を発症しやすいことがわかった。

 また日本と中国で別々に行った膝関節変形性関節症についての研究でも、日本人および中国人の両方で同様の結果が得られた。

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