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地域主体で高齢社会対応を 新研究開発プログラムスタート

掲載日:2010年9月17日

世界でも例を見ない速さで到来した高齢社会に対応するため、科学技術振興機構 社会技術研究開発センターが、新たな研究開発プログラム「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」を立ち上げた。

16日発表された新プログラムの研究開発課題としては「在宅医療を推進する地域診断標準ツールの開発」(研究代表者:太田 秀樹・医療法人 アスムス理事長)、「新たな高齢者の健康特性に配慮した生活指標の開発」(同鈴木 隆雄・国立長寿医療研究センター研究所長)、「ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり」(同小川 晃子・岩手県立大学社会福祉学部・地域連携本部教授、副本部長)、「セカンドライフの就労モデル開発研究」(辻 哲夫・東京大学高齢社会総合研究機構教授)の5つが決まった。

在宅医療に関する研究開発課題では、在宅医療が普及している自治体と遅れている自治体を比較し、よりよい普及の仕方を客観・科学的に明らかにすることなどを通じ、全国への在宅医療の普及を図る。

高齢者の生活指標に関する課題では、新たな社会生活への対応能力、ボランティアらの社会参加など、今後の団塊の世代を中心とした活力ある高齢社会に向けての新たな「活動能力指標」の開発と普及を目指す。

高齢社会の対応として岩手県では、高齢者の安否と見守り情報を家庭用電話機から発信する先駆的な取り組みが行われている。「ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり」では、岩手県の取り組みを基盤として、認知レベルに応じた安否発信方策を検討し、地域特性を生かした多様な見守りサブセンターや休日・夜間センターの設置など地域の互助機能を組織化することにより、高齢者の異変への対応や生活支援をコミュニティで行う方策を開発し検証する。

また、セカンドライフの就労モデルについては、千葉県柏市で、東京大学、柏市、UR都市機構、地域住民が一体となって、「農」「食」「支援」の3つの側面から生きがい就労ビジネスモデルを創造し、今後特に高齢化が急速に進む都市近郊地域におけるセカンドライフモデルづくりを目指す。

プログラム全体を領域する秋山 弘子・東京大学 高齢社会総合研究機構 特任教授は「日本は世界の最長寿国で、2030年には65歳以上の人口が総人口の3分の1になる。世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の課題に挑戦し、世界に先駆けてモデルを創っていくことが急務」と研究開発の意義を話している。

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