レビュー

国際宇宙ステーションの米国での評価

2008.10.29

 29日付読売新聞朝刊国際面に興味深い記事が載っている。ワシントンの増満浩志記者が、米大統領選がらみで米科学振興協会(AAAS)のアルバート・タイク科学政策プログラムディレクターにインタビューした記事だ。AAASは、科学誌サイエンスの発行元としてもよく知られる大きな非政府組織である。

 タイク 氏は、ブッシュ政権の科学政策に批判的で、不幸を味わってきた科学者たちが「選挙を通じて事態を改善するため、両候補に公開質問状を送るなど、さまざまな運動を展開」していることを紹介している。

 両候補のどちらが当選しても現在よりよくなるとの見通しとともに、どちらが大統領になっても宇宙開発について「厳しい決断を迫られる」と言っている。特に国際宇宙ステーションについては「多くの科学者が投資に見合う価値がないと思っている」という。

 国際宇宙ステーションは、日本の宇宙開発でも大きな位置を占めている。当サイトに2008年6月25日掲載した寄稿記事「国際宇宙ステーションは必要」の中で澤岡昭 氏・大同工業大学学長が、自由民主党宇宙開発特別委員会において、国際宇宙ステーション建設の費用対効果の議論が行われていることを明らかにしている。

 澤岡学長は、国際宇宙ステーションの重要性を明確に主張しているが、この問題についてはもっと多くの人々が意見を発信し、議論の中身をもっと一般の国民にも分かりやすい形で明らかにしていく方がよいのではないだろうか。

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