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「千島海溝の超巨大地震は切迫の可能性高い」「今後30年で7〜40%」と政府地震調査委員会

2017.12.20

 政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大教授)は19日、北海道東部沖の「千島海溝」で今後、大津波を伴うマグニチュード(M)8.8程度以上の超巨大地震について「切迫している可能性が高い」とする長期評価を公表した。

 調査委員会は、千島海溝沿いにあり、道南東沖から北東に延びるプレート境界の3つの震源域を想定して、地震発生可能性についての長期評価をした。対象震源域では巨大地震が約400年前に発生し、大津波は海抜20メートルを超えた、と推定されることなどを確認。多くの分析資料などを検討した結果、約400年前のような超巨大地震が今後30年間に起きる確率を「7〜40%」と推計した。確率に幅ができたのは、確率を絞り込む情報を十分得られないためという。

 調査委員会はまた、この超巨大地震よりは小さいが巨大地震と言えるM8前後の地震が今後30年間に起きる確率は、3震源域のうち「十勝沖」は7%、「根室沖」は70%程度、「色丹島沖・択捉島沖」は60%程度とそれぞれ推計した。

 千島海溝の地震長期評価は2004年以来の見直しだった。海溝型の巨大地震をめぐっては東海〜九州沖に至る南海トラフで「M8〜9級の超巨大、巨大地震が起きる確率は30年間に60〜70%」とする長期評価が13年に出されている。

 調査委員会はこのほか、四国の主な活断層型地震の長期評価も検討。近畿から西方向に延びる「中央構造線断層帯」は四国を横切り、大分県まで及ぶ、などとする評価結果も公表した。

 地震調査委員会は、1995年に阪神大震災が起きた後に政府が設置した地震調査研究推進本部(事務局は文部科学省)の下部組織。海溝型や活断層型の地震の規模や発生確率を予測する専門部会がある。

 詳細は下記「関連リンク」参照

図 「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)改訂のポイント」(提供:政府・地震調査研究推進本部)
図 「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)改訂のポイント」(提供:政府・地震調査研究推進本部)

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