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次世代大型ロケット開発は順調とJAXA 今秋に主エンジン試験開始

2016.07.21

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、2020年度の初打ち上げを目指して開発中の次世代大型ロケット「H3」の基本設計結果を公表、「開発は順調」などと発表した。新しい主エンジン「LE9」の試験を今秋から始めるという。

 H3は高い成功率を誇るH2Aの後継機。2段式で全長63メートル、機体の直径は5.2メートルで、完成すれば国産として最大のロケットとなる。1段目の主エンジンLE9は新規開発中。JAXAによると、開発は順調に進んでおり、LE9などの試験を今年秋に宮城県角田市の施設で開始する。

 H3は、打ち上げる衛星の重量などに応じて機体下部の主エンジンLE9を2基にするか3基にするか選択できる。2段目エンジンは「LE5B3」。また推力を高める固体ロケットブースターもロケット機体の周囲に4本まで付けることができる設計になっている。高度3万6千キロの静止軌道に6〜7トンの衛星を運ぶ能力がある。開発費は1,900億円。

 H2Aは30回の打ち上げ中29回打ち上げに成功し、高い打ち上げ成功率を国際宇宙市場で誇っているが、衛星打ち上げコストが100億円前後と、高いのが最大の難点だった。JAXAによると、H3はH2Aの信頼性に加え、打ち上げコストを50億円程度にして受注を増やし、年間6回程度の打ち上げを目指すという。

画像 次世代大型ロケット「H3」の打ち上げ想像図(JAXA提供)
画像 次世代大型ロケット「H3」の打ち上げ想像図(JAXA提供)

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