北極海を覆う海氷の面積が9月中旬に観測史上、最も小さくなったことが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の第一期水循環変動観測衛星「しずく」による観測データから明らかになった。
北極海の海氷面積は毎年、9月に最も小さくなる。これまで観測史上、最少記録は2007年9月の425万平方キロメートルだったが、今年は8月24日に最少記録を抜き、その後も減少を続けた結果、9月16日に349万平方キロメートルになった。これまでの最少記録より、日本列島2個分だけさらに縮小し、1980年代の平均に比べると半分以下となっている。
海氷面積が最少になった理由についてJAXAは、1980年代以降上がり続けている北半球の気温上昇で氷の厚さが徐々に薄くなり、気温や風、海水温の影響を受けやすくなっていることに加え、今年の夏に北極海上空に発生した大型の低気圧の影響などを挙げている。