韓国航空宇宙研究院の多目的実用衛星「KOMPSAT-3」(愛称・アリラン3号)など、4基の衛星を搭載したH2Aロケット21号機が18日午前1時39分、鹿児島県のJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星はいずれも予定軌道に入ったことが確認され、打ち上げは成功した。
アリラン3号は、三菱重工業が初めて海外から商業打ち上げを受注した衛星で、高解像度の光学カメラで詳細な地上画像を撮影する。同時に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)開発の水循環変動観測衛星「GCOM-W1」(愛称・しずく)は、直径2メートルの大型アンテナで、地表の水が放つ電磁波をとらえて、地球全域の降水量や海面水温などを観測する。干ばつや地球温暖化の予測、漁業の効率化などに役立てる。
ほかの2基は、地上で開発中の各種機器・装置などの試験を行うJAXAの小型実証衛星「SDS-4」、宇宙空間で300ボルト高電圧発電などを目指す九州工業大学の小型衛星「鳳龍(ほうりゅう)弐号」。
H2Aロケットの打ち上げは、2003年の6号機の失敗後、今回が15回連続の成功で、成功率は95.2%となった。本格的な「世界の打ち上げビジネス」への参入には、1回に70億-100億円かかるといわれる打ち上げ費用の低減、約3.5トンとされる積載能力の増大などが課題とされる。