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チンパンジーは頼まれれば助けるが、おせっかいは焼かない

2012.02.07

 チンパンジーは、手助けを求める仲間の状況に合わせて道具を選んで渡し、頼まれなければ進んで助けようとはしないことが、京都大学霊長類研究所の研究で分かった。6日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表された。

 山本真也助教(比較認知科学)らのチームは、雌のアイやその子どもなど5匹のチンパンジーで実験した。腕を通せる小窓の開いた透明板で2つの部屋を仕切り、それぞれにチンパンジーを1匹ずつ入れた。一方には7種類の道具の入った箱を置き、他方にはステッキで引き寄せられる所か、ストローの届く所にジュース入りのコップを置いた。

 ジュースを飲みたいチンパンジーが小窓から腕を伸ばして助けを求めてくると、道具のある部屋のチンパンジーはストローが必要な場合はストローを、ステッキが必要な場合はステッキを6-7割の正確さで手渡した。隣室が見えない不透明な仕切りにすると、求めとは無関係に道具を手渡すだけだった。さらに、隣室のチンパンジーが手助けを求めてこなかった場合は、自ら道具を渡すなどの“おせっかい”は焼かなかったという。

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