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年度初めに失職するポスドク多い実態判明

2012.01.30

 博士号を取得したものの任期付きないし雇用契約自体がないポスドクと呼ばれる研究者は、日本全国で15,000人を超えるという実態が科学技術政策研究所の調査で明らかになった。

 この調査は全国1,182の大学・公的研究機関を対象として2009年度に毎月行い、100%の回答回収率を得ている。各調査時点で大学・公的研究機関にいなかったポスドクは、数字に含まれていない。一番、数字が多かったのは09年11月で15,220人、一番少なかったのは同年4月の13,892人だった。この差について科学技術政策研究所は「外部資金による研究プロジェクトは年度途中に採択、開始され、年度末に終了するケースが一般的。この結果、年度前半は一定数のポスドクが職を得ていない状況が生じている可能性が推察される」としている。

 科学技術立国の基盤整備として博士号取得者を増やす政策は、第1期科学技術基本計画(1996-2000年度)に盛り込まれた。「ポスドク1万人計画」と呼ばれ、ポスドクを増やす効果はあった一方、それに見合う雇用の場が十分確保されず「博士漂流時代」などと呼ばれる実態も問題になっている。

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