文部科学省は18日、福島県内の学校や公園などに設置を進めていたリアルタイム線量測定システムの受注業者と契約を解除したと発表した。納入遅れや放射線測定器が技術仕様を満たさなかったため。10月中旬予定だったシステムの稼働開始は来年2月中旬に遅れる見込み。
リアルタイム線量測定システムは2,700台で構成され、公園や学校などに設置された各測定器が1分ごとにガンマ線を測定し、10分ごとに携帯電話回線を使用してデータを送る。それらのデータはホームページで公開される仕組みになっている。
そのうち600台が1次補正予算で予算化されており、8月の競争入札で株式会社アルファ通信が約3億7,000万円で落札した。その後、設置場所の変更や施工業者の書類不備、通信障害などの理由から、10月7日の納入期限が31日まで伸ばされた。さらに25日には、文部科学省職員が現場に立ち会った結果、通信障害、サーベイメータの測定値との差異が発覚。完納期限の31日にも問題は解決せず、同社は、11月14日までに納入することを確約した。さらに2日には、第3者機関が放射線測定器の校正試験を実施したところ、技術仕様を満たしていないことも判明し、結局、14日になっても納入できなかった。
文科省では18日付で同社との契約を解除し、再度、新たな業者を選定し直すことを決定した。また2次補正予算に計上された2,100台については、21日に受注業者を選定する。新たに選定する1次補正予算分600台と合わせて、来年2月中旬にはリアルタイム線量測定システムを稼働させるとしている。