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聟島アホウドリ4期生も巣立ち始める

2011.05.14

 絶滅回避のため小笠原諸島聟島で飼育されていたアホウドリのヒナのうち2羽が巣立った、と13日山階鳥類研究所が発表した。

 巣立ったヒナは、同研究所が2月8日に伊豆諸島鳥島からヘリコプターで聟島に移送し、3カ月間、餌を与えて育てていた。12日、15羽のうちの2羽が聟島西端にある飼育地から飛び立ち、1.5キロ離れた海上に浮かんでいるのが確認された。今後巣立つと予想される残りのヒナともども、北太平洋のアリューシャン列島やベーリング海域まで渡っていくとみられる。

 アホウドリは環境省レッドリストに載っている絶滅危惧種。現在、尖閣諸島と鳥島だけに2,000羽程度しか生息していない。鳥島はいつ噴火するか分からない火山島のため、アホウドリ移住プロジェクトは、繁殖地を広げ、絶滅の危機を減らす目的で2008年から始まった。生まれたばかりで聟島で移送されたヒナが無事、育って巣立つ姿が、毎年この時期にみられる。

 今回、巣立ったヒナを含む飼育中のヒナは4期生にあたる。2008年に巣立った1期性6羽、09年に巣立った2期生1羽が今年、相次いで聟島に戻ってきたことが確認されており、移住作戦は着々と成果を挙げつつある。

 2008年に巣立ち聟島に戻ってきたアホウドリ(中央の2羽)  (提供:山階鳥類研究所)
2008年に巣立ち聟島に戻ってきたアホウドリ(中央の2羽) (提供:山階鳥類研究所)

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