山階鳥類研究所が昨年に続き実施しているアホウドリの移送作戦で小笠原群島聟島を巣立ったヒナたちが、遠くはオホーツク海の中央付近まで飛行していることが分かった。
アホウドリの移送作戦は、噴火の恐れがある伊豆諸島鳥島に繁殖地が集中しているアホウドリを絶滅から防ぐ目的で始まった。山階鳥類研究所員たちが2月5日に伊豆諸島鳥島から聟島へ空輸移送したアホウドリのヒナ15羽は、5月11日から5月25日までに聟島の飼育サイトから無事、巣立っていた。
ヒナたちの行動を追跡するため7羽に昨年同様、衛星発信器を取り付けたところ、6月30日現在、7羽とも位置が確認できており、最も遠くまで渡ったヒナは聟島から約3,200キロの地点(オホーツク海中央)まで到達していることが分かった。比較のため同じように発信器を取り付けた鳥島の野生ヒナの多くが東よりのコースをとっているのに対し、聟島のヒナたちは本州寄りのコースをとって北上していることが分かる。