世界自然保護基金(WWF)は26日、生物多様性に富むアマゾンが世界の社会、経済に大きな利益を提供していることを強調する報告書「Amazon Alive! A decade of discovery 1999-2009(命あふれるアマゾン!1999-2009年の10年間の発見)」を発表した。
報告書はこの10年間だけで1,200種以上の植物と脊椎(せきつい)動物の新種が、アマゾンの生物圏で発見されたことを明らかにしている。発見された新種は637種の植物、257種の魚類、216種の両生類、55種のは虫類、16種の鳥類、39種の哺乳(ほにゅう)類を含む。
WWFはこの報告書を名古屋で開催中の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせて公表した。アマゾンの生態圏は地域に住む3,000万人以上の人々の生計を成り立たせているだけでなく、北米や欧州地域の何千万もの人々に気候の安定という恩恵を与えている、と指摘した上で「アマゾンの自然の生態系を、社会的、経済的視点から適切に評価し、土地や資源の計画的な利用を実践」することの重要性を訴えている。