陸域観測技術衛星「だいち」に搭載したレーダーセンサーによるデータを基に全地球の森林分布図を宇宙航空研究開発機構が作成、21日、ホームページで公開した。名古屋で開催中の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせて行われるイベントでも公開する。
公開された中には、天候の影響を受けない「だいち」のレーダーが2009年6月から9月までの乾期に観測した全世界データを10メートル分解能で処理した全地球の森林分布図のほか、アマゾン、アフリカ、東南アジア地域の拡大図が含まれている。
1ヘクタールに100トン以上のバイオマスを持つ区域を森林と見なし、緑で表示、それに満たない区域は暗い緑から黄色、あるいは黄色で示した2種類の画像が公開された。
中央アジアから中東、北アフリカにかけての一帯、さらにはオーストラリア、米国中西部、南米大陸南部、アフリカ大陸南部などに膨大な広さの非森林地帯が広がっていることが一目で分かる。さらに、元々、森林で覆われていたアマゾン、アフリカ中西部、インドネシアなどでもじわじわと非森林地帯が広がりつつあることも拡大図は明らかにしている。
宇宙航空研究開発機構は、高い分解能のデータ配布は協力機関と協定を締結した上で行い、低分解能データはホームページで随時公開すると言っている。