川端達夫・文部科学相は15日、閣議後の記者会見で、次世代スーパーコンピュータ開発に対する事業仕分けの結果を予算要求に反映させることについて、異議申し立てをしたことを明らかにした。数日中に菅直人・副首相兼国家戦略相、仙谷由人・行政刷新相、藤井裕久・財務相との折衝が予定されている。
財務省は11日、事業仕分けの結果を踏まえて、文部科学省に対して、来年度予算要求のうち1,142億円を削減するよう要請した。応じられない場合は、14日までに予算削減の代替案とともに提案するよう求めていた。
川端文部科学相は「世界最速レベルにかなり近い目標設定のスパコンを持つことは、日本の科学技術の進歩のためにもどうしても必要」という認識を示した上で、来年度予算要求に盛り込んだスパコン開発予算のうち、計画を前倒しするための予算部分について見直す方針であることを明らかにした。また、東京大学、東京工業大学、宇宙航空研究開発機構、海洋研究開発機構などに既にある100テラ級のスパコンを含めた日本全体のスパコン整備計画についても見直す考えを示した。
スパコン以外の事業については、事業仕分けで指摘された趣旨は尊重し、受け入れるとしているが、「例えば、廃止とされた趣旨が、事業自体は良いけれども国ではなく地方に移管するのがよいというものについては、来年度予算では経過措置として残ることになるだろう」と話している。