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小学生の農山村集団宿泊体験計画スタート

2008.05.05

 農山村や漁村で小学生に1週間程度の集団宿泊を体験させるプロジェクトがスタートした。有識者、知事、市長、町長、総務省、文部科学省、農林水産各省の局長、審議官から成る「子ども農山漁村交流プロジェクト全国推進協議会」(会長・川勝平太・静岡文化芸術大学学長)が発足、4月25日に第1回の会合をもった。

 子ども農山漁村交流プロジェクトは、自然と触れ合う機会が少なくなっている小学生に自然に囲まれた地域で集団生活を体験させることで、豊かな人間性を育むのが狙い。小学生を受け入れる農山漁村に対しても、地域の活性化につながるよう受け入れ施設の整備などを政府が支援する。

 小学生高学年の1学年単位、約100人規模を受け入れることができる地域として全国50のモデル地域が選ばれ、19日には東京の国立オリンピック記念青少年総合センターでプロジェクト発足記念シンポジウムが開かれる。協議会は、プロジェクトの愛称を公募している(締め切り5月9日)。受け入れ地域は今後、500まで増やし、全国に23,000校あるすべての小学校にプロジェクトを展開、約120万人の小学生に農山漁村での集団宿泊を体験させることを目指している。

 人口の都市集中や都市の近代化、さらには少子化による影響のため、子どもの遊び空間が急激に減少している悪影響を指摘する声が最近、強まっている。さまざまな年齢の子どもたち同士で遊ぶ機会が、都市、地方を問わず減り、他人との付き合い方や自然のもつよさも厳しさも分からないまま大人になってしまう人間が増えることの弊害が心配されるからだ。日本学術会議は、子どもを元気にする環境づくり戦略・政策検討委員会(委員長・仙田満放送大学教授)による検討結果を基に昨年7月「我が国の子どもを元気にする環境づくりのための国家的戦略の確立に向けて」という対外報告を公表している。この中で、「都市の子どもは地方に、地方の子どもは都市に、四季の変化と厳しさを体験できる期間、交換留学をする」全国的な都市・山村交流留学制度が提言されている。

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