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肝臓がんを遺伝子変異で6分類 生存率や治療後経過などに大差

掲載日:2016年4月12日

肝臓がんは、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)変異によって6つのグループに分類でき、それぞれ生存率や治療後の経過などに大きな差があることが分かった、と国立がん研究センターと理化学研究所などの共同研究グループが12日発表した。この分類を活用することにより、肝臓がんの診断、治療や治療開始後の経過観察方針決定などに役立つと期待される。研究成果は米科学誌ネイチャージェネティクスに掲載された。

共同研究グループは、日本人の患者300人のがん細胞のゲノムを、「次世代シーケンサー」と呼ばれる最新鋭装置と東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピューターで解析し比較した。解析したDNAの塩基配列データは70兆にも及んだ。

その結果、肝臓がんの発症に関連する新たな遺伝子変異が10以上見つかり、一つのがん組織中のゲノム異常は平均約1万もあることを突き止めた。また、これらを基に肝臓がんを6分類できることが分かった。具体的な違いの例として、ある遺伝子に変異がある患者の8割は、最初の治療後から5年経過しても再発や転移が起きていなかった。しかし別の遺伝子に変異がある患者は全員が再発し転移も見られた。また、がん抑制遺伝子の「TP53」に異常があると治療後の経過(予後)が悪く、5年生存率も低かった。生存率について5年生存率を見ると、6つのグループごとに約80~0%もの大きな差があることが分かった、という。

研究グループによると、現在国内で年間約4万人が肝臓がんと診断され、約3万人が死亡している。部位別がん死亡数では、男性は3位、女性は6位。 肝炎ウイルスの感染が主原因で、B型やC型の肝炎ウイルスの感染から慢性肝炎に、さらに肝硬変を経て、高い確率で肝臓がんを発症する。アルコール性肝障害や脂肪性肝障害から肝臓がんになるケースも増える傾向にある。

さまざまな治療法があるが、いずれもその効果は十分ではなく、ゲノム情報に基づく新たな治療法や予防法の開発が求められている。今回新たに見つかった遺伝子変異を標的にした薬の開発も期待されている。

この研究は2008年に始まった「国際がんゲノムコンソーシアム(ICGC)」と名付けられた国際共同研究の一環として実施され、がん細胞のゲノム解析としては世界最大規模という。共同研究グループには北海道大学、東京大学、東京女子医科大学、和歌山県立医科大学、広島大学、大阪府立成人病センターも参加した。

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