ニュース

赤ちゃんのおしり周りの触感

2013.04.23

 赤ちゃんは、おしり周りの触感で紙おむつの素材を区別し“気持ち良さ”の違いを実感していることが、長崎大学大学院歯薬学総合研究科の篠原一之教授とユニ・チャーム(本社、東京都港区)の共同研究で分かった。素材の違いによる赤ちゃんの脳血流の変化を測定したもので、さらに赤ちゃんの触覚の研究が進むことで、スキンシップのメカニズムの解明やより良い製品の開発につなげたいという。

 研究グループは、生後2-6カ月の乳児26人(男12人、女14人)を対象に、風合いの異なる2種類の紙おむつ素材(A、B)を左腰部にあて、それぞれの大脳皮質にある前頭前野の血流量を「近赤外線分光法(NIRS;Near Infra-Red Spectroscopy)」によって測定した。同方法では皮膚や頭骨などを透過する近赤外線を照射し、その吸収度によって血中の酸素化ヘモグロビンの濃度変化を調べる。

 その結果、素材AはBよりも6倍の脳血流の増加がみられた。前頭前野はとくに報酬系(「快い」といった情動や認識を担う神経系)の働きをしていることから、赤ちゃんは素材Bよりも、Aの触感を「気持ち良い」と感じていると考えられる。さらに追加試験によって、素材Pの刺激よりも母親が手のひらでなでた時の触覚刺激の方が、赤ちゃんにとって気持ち良く感じることも分かったという。

 篠原教授は「赤ちゃんは、おしり周りの触感で紙おむつの素材の違いを区別し、素材の違いによって気持ち良さが異なることが示唆された。赤ちゃんのおしり周りの触覚は、生後数カ月から発達していて、繊細な感受性を持っていることが分かった」と述べている。

関連記事

ページトップへ