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ホルモンや成長因子を細胞が取り込む仕組み解明

掲載日:2007年5月23日

ホルモンや成長因子のような外からの分子を細胞が取り込む仕組みが、科学技術振興機構と京都大学の研究チームによって、明らかにされた。

科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業ICORP型研究「膜機構プロジェクト」(研究総括・楠見明弘京都大学再生医科学研究所教授)による成果で、この研究を深めることにより、BSE(牛海綿状脳症)やエイズウィルスの感染、あるいはアルツハイマー病の感染や発病過程の解明などにつながることが期待されている。

ホルモンや成長因子のような細胞外からのシグナル分子を細胞内に伝える役割をする受容体分子が、細胞膜にあることはこれまでも分かっていた。かし、シグナル取り込みの詳細は不明のままだった。

楠見明弘教授、鈴木健一・京都大学再生医科学研究所特任助教らは、シグナル伝達分子を、複数種同時に1分子追跡する方法を開発することで、今回の成果につなげた。それによると、シグナル分子が細胞膜上の受容体に結合すると、この受容体が数個集まって集合体を形成する。すると集合体に、液体の細胞膜の中でコレステロールや糖脂質などが集結し、いわば細胞膜という海の中で、受容体を中心にしたイカダのような構造「ラフト」が形成されることが分かった。このラフトに多くのシグナルタンパク質が集まってきて、最終的に細胞内にシグナルが伝わる、という一連の過程が、突き止められた。

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