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中部電力が浜岡原子力発電所の運転停止決定

2011.05.10

 中部電力は、菅首相からの要請を受け9日、運転中の浜岡原子力発電所4、5号機の運転を停止し、定期点検中の3号機の運転再開も見送ることを決めた。

 同日記者会見した水野中部電力社長は、「安全強化の着実な実施が長期的には原子力発電の安全かつ安定的な継続の礎となり、電力利用者と株主の利益につながると考えた」と語った。

 中部電力は、運転停止を決めるに当たり、海江田経済産業相から5項目にわたる確認を得たことを明らかにした。確認書によると、津波に対する防護策、海水ポンプ予備品の確保、非常用発電機などの設置が完了し、原子力安全・保安院の確認が出た場合、速やかに運転再開できる、となっている。

 さらに、全面停止に伴う中部電力の負担軽減や交付金、雇用など地域経済への十分な配慮も政府に求めている。

 海江田経済産業相は中部電力の決定を受け、「原発停止に伴う追加的な費用負担について中部電力から具体的要請があれば、金融支援策など最大限検討していきたい」という談話を発表した。交付金については「2年間はこれまでどおり交付され、2年後以降も減額されることはない」としている。

 経済産業省は福島第一原子力発電所の事故を受けて3月30日、全国の原子力発電所に緊急安全対策を実施するよう各電力会社に指示した。海江田経済産業相は、このうち直ちに必要とした短期対策については浜岡電子力発電所を含むすべての原子力発電所で「適切に措置されていることを確認した」と明言した。具体的には、「福島第一原子力発電所と同程度の津波によって全交流電源を喪失したとしても、注水により冷却を行い炉心損傷や使用済み燃料の損傷を防止し、冷温停止状態につなげることができると考えている」としている。

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