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冷却システム設置に向け作業員1号機原子炉建屋内に

掲載日:2011年5月9日

福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋内に9日早朝、東京電力の作業員などが入り、線量測定の作業を始めた。今後、原子炉水位計などの調整・取り付け作業と、原子炉を安定冷却状態とするための循環型冷却システムの設置作業が予定されている。

1号機では、電源が復旧したことで原子炉の水位が確認できるようになったほか、格納容器に水を満たす水棺措置に不可欠となる格納容器内の水位確認も格納容器圧力と圧力抑制室圧力から推定可能な状態にはなっていた。しかし、原子炉水位計や格納容器圧力計など計器類が示す表示自体が、格納容器内の温度、湿度が高くなっている影響でずれてしまっている可能性が高い。

東京電力はまず原子炉建屋内の放射能レベルを下げるため局所排風機を取り付け、5日夕から原子炉建屋内の空気を循環させ、フィルターで放射性物質を吸着する作業を行った。この結果7日午後の時点で、建屋内の放射性物質の濃度は100分の1以下に下がり、作業員が工事を行える環境になったことが確認された。

8日夜には、周辺への健康影響が心配ないという予測結果を基に原子炉建屋とタービン建屋を結んでいた二重扉を開放する作業を行った。

今後、1号機内では、原子炉水位計の校正(調整)と差圧指示計の取り付け、格納容器圧力計の校正作業が予定されている。これによって、原子炉内の水位が燃料の上まで来ていることと、格納容器内の水位がベント配管の入口まで上がっていないことが正確に確認できるようになる、と東京電力は言っている。さらに原子炉建屋内に熱交換ユニットを設置、屋外に設置するポンプ、冷却塔と圧力容器内とを結んで冷却水を循環させる代替冷却設備の設置工事が予定されている。1号機では水素爆発を防ぐため格納容器内に窒素を注入する作業も行われているが、代替冷却設備は現在窒素注入作業に使用している給気配管を利用するため、窒素注入接続配管の変更工事も必要になる。

東京電力は、これら一連の工事を5月中に完了するという工程表を原子力安全・保安院に示している。

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