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ふたご座流星群、14日ピーク 月明かりの影響小さく好条件

2025.12.10

 流星(流れ星)が特に多く現れる三大流星群のうち、「ふたご座流星群」のピークが14日に迫っている。毎年起こる流星群の一つだが、今年は月が昇るのが未明で影響も小さく、好条件という。天気さえ良ければ防寒や安全、マナーに留意し、天体ショーの好機を生かしたい。

ふたご座流星群=2004年12月14日、茨城県常陸大宮市(国立天文台提供)
ふたご座流星群=2004年12月14日、茨城県常陸大宮市(国立天文台提供)

 国立天文台によると、発生のピーク「極大」は14日午後5時頃と予想される。最も多く見られるのは14日夜から15日明け方にかけて。空の暗い場所で、14日午後9時頃に1時間あたり30個と予想される。東京の場合、同11時~翌15日午前2時頃には同50個程度が期待される。その後は下弦を過ぎた、つまり半月よりやや細い月が昇ってくるが、月明かりの影響はさほど大きくならない。明け方にかけて同35~45個程度が予想される。前日の13日夜から14日明け方にも、多くなりそうだ。実際にどの程度観察できるかは場所や気象条件、熟練度、視力などによる。

彗星の軌道に帯状に残されたチリに地球がさしかかって、流星群が起こる(模式図、国立天文台提供)
彗星の軌道に帯状に残されたチリに地球がさしかかって、流星群が起こる(模式図、国立天文台提供)

 流星は、宇宙空間のチリが地球の大気圏に突入して燃え尽きる際、成分が光って夜空に筋を描く現象。彗星(すいせい=ほうき星)の通り道に多くのチリが帯状に残されており、地球が毎年そこにさしかかる際に大気に飛び込んで、流星が多発する流星群が起こる。地球がチリの帯を通り、流星群が起こる時期は毎年決まっている。チリを残した天体「母天体」はふたご座流星群の場合、活動的小惑星「フェートン」だ。

 活動的小惑星は小惑星に分類されるものの、彗星のようにチリを活発に放出する小天体。2021年には米国の研究グループが、フェートンが放出するチリの正体はナトリウムとみられるとする研究成果を公表した。日本はフェートンを探査する技術実証機「デスティニープラス(DESTINY+)」を計画。このナトリウムの謎にも迫るという。打ち上げは当初は昨年度とされ、後に今年度に延期された。さらに、搭載する予定だった小型ロケット「イプシロンS」の開発難航を受け、ロケットを大型の「H3」に変更し、28年度に延期することが昨年12月に決まっている。

気化したナトリウムを放出するフェートンの想像図(NASA、米カリフォルニア工科大学提供)
気化したナトリウムを放出するフェートンの想像図(NASA、米カリフォルニア工科大学提供)

 大小100以上の流星群のうち、特に流星が多発するものは「三大流星群」と呼ばれる。中でもふたご座流星群は、毎年ほぼ安定して多く出現するとされる。ただし極大の時刻と月明かりとの兼ね合いなどで、年により条件は変わる。

三大流星群。極大時の数は年により異なる(国立天文台などの資料を基に作成)
三大流星群。極大時の数は年により異なる(国立天文台などの資料を基に作成)

 流星群は空のどこにでも現れうるが、光の筋をさかのぼって延長すると一点の「放射点」に集まる。その向こうの宇宙空間から降ってくるチリが、地上から観察すると放射状に飛び出すように見えるためだ。ふたご座流星群の放射点はふたご座付近にある。時間により、放射点の高度が高いほど流星の数が増える。今回は木星がマイナス2.6等級でふたご座付近にあり、放射点を把握しやすい。

 一つ一つの流星がいつ、空のどこに出るかは全く予測できない。なるべく空の開けた場所で、肉眼で観察する。シートを敷いて寝転ぶと楽だが、利用できる安全な場所であることを確かめる必要がある。

ふたご座流星群の解説図(国立天文台提供)
ふたご座流星群の解説図(国立天文台提供)

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