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対話重視の「サイエンスアゴラ2021」、11月3日からオンライン開催 「総合知」で未来社会を考えよう

2021.10.29

 科学技術振興機構(JST)は11月3日(水=文化の日)から7日(日)までの5日間、科学と社会をつなぐオープンフォーラム「サイエンスアゴラ2021」を去年に続くオンライン形式で開催する。テーマは「Dialogue for Life(ダイアログ・フォー・ライフ、Dialogueは対話の意)」。ウィズコロナの暮らしが始まって1年、私たちをとりまくLife(生命・暮らし・人生)は、いまだ危機にさらされ変容を余儀なくされている。そうした中、これまで以上に科学者と市民の対話を重視し、おのおのの知恵を持ち寄る「総合知」により安心で豊かな未来社会のあり方を考える。10月10・11日に実施した「プレアゴラ」を含め、全体で100件を超える企画を展開する。

今年のテーマは「Dialogue for life」

 第6期科学技術・イノベーション基本計画にも記載された「Well-Being(一人ひとりの多様な幸せ)」。テーマの「Dialogue for life」は、この実現に向け、国民の安全と安心を確保する持続可能で強固な社会を作り上げ、科学技術に対する人々の期待や不安を受け止めるため、より一層の対話が欠かせないとの認識に基づく。
 
 サイエンスアゴラ2021推進委員会(委員長・駒井章治東京国際工科専門職大学教授)は、対話重視の姿勢を中心に据えて注目すべき以下の11企画を選定した。

◎3日
・脳科学とテクノロジーの融合 夢の中で税金を支払える?
・海にやさしい陸上養殖サイエンスで美味しく安全なお魚を食卓へ
・もし「未来」という教科があったら、どんな授業??
◎5日
・どうぶつたちの眠れない夜にスペシャル 実験動物編
◎6日
・生命の根幹を探る~クロマチンアトラスを描く~
・どんなときでも理科をあきらめない!災害時に途切れない教育セーフティネットワークとは?
・科学者が考えるレシピは美味しいか?
・光ファイバー地震計が拓く新たな海底地震・津波観測の新展開
◎7日
・命のつながりと生物多様性 ~陸と海の豊かさを守ろう~
・科学の工場見学〜科学はどうやって生まれる?〜
・THE RULE online〜つたえる!つたわる?テレワーク編〜

川田十夢氏

 最先端の映像技術を用いるオンライン科学実験の企画会議「科学実験@ボリュメトリックスタジオ作戦会議」(6日)も注目される。未来開発ユニット「AR三兄弟」の長男として数々の創作活動を手がける川田十夢氏を迎え、出展者や日本科学未来館の科学コミュニケーターらと、一見難しそうに感じられる科学技術に親しみを持って接するにはどのような仕掛けが必要かを議論する。

 川田氏は、注目企画「脳科学とテクノロジーの融合 夢の中で税金を支払える?」「科学者が考えるレシピは美味しいか?」に加え、「学研の付録性をAR三兄弟と考えてみる」(3日)にも登壇する予定だ。

3日には、優れた研究を行う若手女性研究者と女性研究者を手厚く支援する機関をたたえる「第3回輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)表彰式」とトークセッションを開く。社会課題の地域での解決と科学技術に焦点を当てた今年度の「STI for SDGs」アワードの表彰式とパネルディスカッションも開く。

 オンラインでの企画実施形式は、開催日と時間帯を定めた事前登録制のライブ配信と、開催初日からいつでも見られるオンデマンド配信の2通り。ライブ配信は実施後、オンデマンド配信に切り替わる企画も含む。

 ライブ配信の企画は事前登録制。多くの企画で事前登録した来場者のみが参加できる「対話の時間」を設ける。普通のオンラインイベントに比べて、市民が発言しやすい雰囲気作りに努めるという。

 プレアゴラは開催日が「2021年デジタルの日」となったのを受け、ワークショップ「未来のマーク作りで創造する2050」、トークイベント「新しい万博の価値 サイバー万博(仮称)実施の可能性 具体的実施の方向性」など7つの企画をオンラインで実施した。数企画を除き、オンデマンド動画が閲覧可能となっている。

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