ニュース

「はやぶさ2」のカプセル、3~4月に相模原と上野で一般公開

2021.02.26

 小惑星の試料を地球へと届けた探査機「はやぶさ2」のカプセルを3~4月に一般公開することを、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が明らかにした。場所は相模原市立博物館と国立科学博物館(東京・上野)で、いずれも予約が必要となる。

オーストラリアの砂漠地帯に着地した「はやぶさ2」のカプセルとパラシュート=昨年12月6日(JAXA提供)
オーストラリアの砂漠地帯に着地した「はやぶさ2」のカプセルとパラシュート=昨年12月6日(JAXA提供)

 相模原市立博物館では3月12日~16日に公開。見学希望者は抽選のため、5日必着で往復はがきにより申し込む。入場無料。これに続き、国立科学博物館で3月27日~4月11日(4月5日休館)に公開する。入館は所定のホームページでの予約制で、常設展示の入館料が必要(高校生以下と65歳以上は無料)。予約方法などの詳細は各館のホームページに記載されている。

 展示するのはカプセル本体である「インスツルメントモジュール」のほか、大気圏突入時に生じる高熱からカプセルを守った「前面ヒートシールド」と「背面ヒートシールド」、電子機器部、パラシュート。はやぶさ2の解説も展示する。JAXAは見学者に対し、各館の感染症対策への協力を求めている。

 はやぶさ2は2014年12月に地球を出発し、18年6月から19年11月まで小惑星「リュウグウ」に滞在。2回の着地で地表と地下の試料の採取作業を行い、昨年12月6日に試料が入ったカプセルをオーストラリアの砂漠地帯に着地させた。行程は往復約52億4000万キロに及んだ。

 回収した試料は、計画段階で想定した最低100ミリグラムを大幅に上回る約5.4グラム。本格分析を前に現在、JAXA宇宙科学研究所(相模原市)で観察と記録が進む。分析により、太陽系形成や生命の起源の謎を解く手がかりが得られると期待されている。はやぶさ2は現在、2031年の到着を目指し次の小惑星「1998KY26」に向かっている。

昨年12月、地球に向けカプセルを分離した「はやぶさ2」の想像図(左)と、オーストラリアの砂漠地帯で回収されたカプセル(いずれもJAXA提供)
昨年12月、地球に向けカプセルを分離した「はやぶさ2」の想像図(左)と、オーストラリアの砂漠地帯で回収されたカプセル(いずれもJAXA提供)

関連記事

ページトップへ