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熊本豪雨の浸水推定図や空中写真 国土地理院が公開

2020.07.06

 梅雨前線が停滞した影響で、熊本県南部は4日未明から記録的な豪雨となり甚大な被害が出ている。6日午前も梅雨前線は停滞し、同県のほか宮崎、鹿児島両県でも強い雨が降っている。こうした中で国土地理院が同日までに、熊本県南部を貫流する球磨川が氾濫した地域の浸水被害を推定する図や空中写真など、被害状況を示す関連画像をホームページで公開した。防災科学技術研究所も防災関連サイトで、国土地理院の画像データなどを掲載している。

 国土地理院が公表した浸水推定図は熊本県人吉市やその周辺が対象で、豪雨が最初に熊本県南部を襲った4日に収集したデータを基に作成。同日現在の初期の被害状況を示している。ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿された画像や国土交通省の災害用ヘリコプターによる映像などを基に、浸水範囲を推定。さらに水に漬かった建物の情報と標高データを組み合わせることで水深を推定したという。

4日現在の球磨川沿いにある人吉市周辺の浸水推定図。青が濃い部分ほど推定浸水深が大きいことを示している(国土地理院提供)
4日現在の球磨川沿いにある人吉市周辺の浸水推定図。青が濃い部分ほど推定浸水深が大きいことを示している(国土地理院提供)

 球磨川が大きく蛇行している地域や、本流と支流が合流する地域などでは、水深5〜10メートル程度と推定される地点が広がり、JR人吉駅付近も広い範囲で浸水している様子が分かる。

 球磨川周辺の浸水被害について多くの専門家は、同川は蛇行が多く、本流と支流の合流点で流れが滞って水が逆流するようにみえる「バックウオーター」と呼ばれる現象が起きた可能性を指摘している。

 SNSを活用した浸水推定図は、2018年の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町地区で初めて作成されている。浸水範囲を確定できない早い段階での被害状況把握に役立つとされている。

 国土地理院は球磨川沿いの約50地点で4日撮影した99枚の空中写真も公開している。川が大きく蛇行した地域で氾濫し、多くの民家が浸水していることなどが分かる。

球磨川の氾濫状況を伝える4日午後撮影の空中写真。左図の9番のポイントが撮影場所(国土地理院提供)
球磨川の氾濫状況を伝える4日午後撮影の空中写真。左図の9番のポイントが撮影場所(国土地理院提供)

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