政府は、日本版の衛星利用測位システム(GPS)構築を目指す準天頂衛星「みちびき4号機」を10日午前7時すぎ、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット36号機で打ち上げた。衛星は順調に予定軌道に投入されて打ち上げは成功した。4号機の成功で日本版GPS4基体制が整ったことになり、2018年度から精度の高い位置情報が提供される。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、4号機は、6月1日に打ち上げられた2号機同様、高さ6.5メートル、幅2.8メートル。太陽電池パドルが展開すると横幅は20メートル近くになる。1、2号機と同じように、地上から見ると日本からオーストラリアにかけた上空で8の字を描く準天頂軌道を周回する。災害時の通信の機能も備える3号機は静止軌道を飛行している。
日本の地上位置計測は米国のGPS衛星に大きく頼ってきたが、国内衛星4基体制が実現したことで、日本の真上付近に常に衛星が配置される。このためGPSの機能や精度が格段に向上する。政府は2023年度をめどに、米国のGPS衛星に頼らずに日本独自に位置情報を提供できる7基体制の構築を目指している。
関連リンク
- JAXAプレスリリース「H-IIAロケット36号機による「みちびき4号機」(準天頂衛星システム)の打上げ結果について」
- JAXAみちびき公式サイト
- みちびき打ち上げ特設サイト