宇宙の天体には、太陽のように自分で燃えて輝く「恒星」と、恒星からの光と熱を受ける地球のような「惑星」がある。私たちの太陽系では、地球の気温は平均すると15度くらい。太陽にもっとも近い惑星である水星でも、その表面温度は400〜500度。ところが、地球から約650光年の距離に、4,300度にもなる惑星が見つかった。東京大学大学院理学系研究科の成田憲保(なりた のりお)助教らの国際研究グループが、このほど発表した。
新たに見つかった惑星「KELT-9b」は、表面温度が約10,000度の恒星の周りを回っている。太陽の約6,000度より、はるかに高い。しかも、恒星からの距離が、地球と太陽の距離の30分の1ほどしかないため、これほどの高温になっている。
宇宙には、おもに水素やヘリウムなどのガスでできている木星と同じタイプだが、温度がとても高い「ホット・ジュピター」という惑星が100個以上も見つかっている。中心にある恒星の温度が7,000度を超えるホット・ジュピターも、これまでに6個、確認されている。KELT-9bは、それに続く7個目になるが、これまでのホット・ジュピターの温度がせいぜい3,000度ほどだったのに対し、KELT-9bは4,300度で格段に高い。
成田さんによると、ホット・ジュピターの大気は、3,000度くらいまでなら「分子」の状態で存在するが、4,300度もの高温になると分解してしまう。したがって、KELT-9bは、これまでに観測されたことのない奇妙な大気をまとった惑星のはずだ。この大気の詳細を解明していくことが、これからの課題だという。
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