米航空宇宙局(NASA)は23日、地球から約40光年離れた恒星の周囲を回る7つの太陽系外惑星を見つけたと発表した。いずれも地球に似ており、生命を育む海が存在する可能性がある惑星も3つあるという。NASAとベルギーの大学などの国際観測チームによる成果で論文は22日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。
国際観測チームはNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡や南米チリにある欧州南天天文台の望遠鏡などで、みずがめ座の方角にあり、地球から約40光年離れた赤色矮星(わいせい)とみられる恒星「TRAPPIST1」を観測。この恒星の手前を惑星が横切る際にわずかに暗くなる現象の分析から7つの惑星が回っていることを確認した。
NASAによると、7惑星同士の距離はかなり短く、TRAPPIST1と7惑星との間の距離はいずれも太陽と水星の距離よりも短い。しかしTRAPPIST1は温度が恒星の中でも低い赤色矮星とみられ、7惑星は「ハビタブル(生命の存在に適した)ゾーン」にあり、いずれも液体の水が存在する可能性があるという。NASAは観測データの分析から7惑星の中でも3つの惑星は海が存在する可能性が高いとしている。
太陽系外惑星は太陽系の外にある恒星を回る惑星。長い間存在が予想されながら見つかっていなかったが、1990年代以降観測技術が急速に向上したことから太陽系外惑星の発見が相次ぎ、これまでに3千以上が見つかっている。今回の観測結果についてNASAは「1つの恒星系で見つかった太陽系外惑星の数としては今回の7つが最大」としている。