政府の総合科学技術・イノベーション会議と経済財政諮問会議が21日午前、基礎研究の振興策などについて検討する合同会議を開いた。合同会議には2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典(おおすみ よしのり)東京工業大学栄誉教授が招かれ、大隅さんは基礎研究の重要性などについて意見を述べた。
この日の合同会議は「経済成長に資する科学技術イノベーションの活性化」、「国の研究開発評価の推進と基礎研究の振興」について議論。会議に出席した関係者によると、大隅さんは自らの研究の過程を説明しながら基礎研究の重要性を強調したという。
大隅さんの説明、発言の後、「官民投資拡大イニシアティブ」について討議し、大学が民間資金を獲得するためにクラウドファンディングを活用する方策や、大学への寄付拡大や新規事業起業につながる改善策などについて話し合われた。
会議の席上、安倍晋三首相は「大隅先生は、『人がやらないことを手がける』という信条の下、チャレンジ精神と努力で研究をし、医療への応用が期待できる独創的な研究成果を生み出された。基礎研究の振興には、大学などが経営改革と資金の多様化を進め、長期的視点に立った取り組みを確保し、若手の挑戦意欲や自立性を高める環境を構築することが大切であると、改めて認識した」などと述べた。
関連リンク
- 内閣府公表資料「第24回総合科学技術・イノベーション会議・ 平成28年第21回経済財政諮問会議合同会議の開催について」
- 首相官邸ホームぺージから「『総合科学技術・イノベーション会議』・『経済財政諮問会議』合同会議」