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筑波大学オープンアクセス方針決定 学術誌掲載論文ネット公開

2015.11.24

 筑波大学は、学術雑誌に掲載された学内研究者の論文をインターネット上で公開し、自由に利用できるようにする「オープンアクセス方針」を決定し、公表した。大学は教育研究に携わるばかりでなく、その成果を公開する発信源として学術情報伝達の即時性や公開範囲の拡大を図るという社会の要請の応えた対応だ、としている。

 筑波大学はこれまで著者の許諾を得た研究成果についてのみ公表してきた。今後は、出版社、学会、学内部局などが発行した学術雑誌に掲載された教員の成果物を、筑波大学学術機関リポジトリによって公開する。ただし、成果物の著作権は大学には移転しない、としている。

 同大学によると、所属する研究者の研究成果などを蓄積してインターネットで公開する「機関リポジトリ」が近年、欧米の学術コミュニティーを中心に盛んになっている。学術雑誌の価格高騰に対する学術コミュニティー側の対抗策である新しい学術情報流通モデル「オープンアクセス」から生まれた。

 1997年以来、学内で生産された学術資料の電子化と発信に取り組んできた筑波大学の「つくばリポジトリ」は学術雑誌掲載論文に加え、研究報告書、学位論文、紀要論文をはじめ、学会発表資料や教材など学内研究者の研究・教育成果を保管している。国内外の論文検索用のサーバーに論文タイトル・著者名などを提供することにより、利用者はGoogle Scholarなどさまざまな検索エンジンから検索が可能という。

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